木空西岡diary

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PLSTC-プラスチックの感想

sapporoshortfest.jp

 

世界の海が日々私たちのゴミに埋め尽くされている。生成AIによる画像が生み出す衝撃の97秒。

ラエン・サンチェス | Laen Sanches

Experimental, AI | France | 2022 | 0:01:37

 

以下感想

 

この映画は良くないと思う。

良くない良くない。

映画の内容としては

「海の環境問題を考えてみよう」

「たくさんのプラスチックが原因で海の動物たちが命を落としてるよ」

ということを訴える映画だと思います。

その主題について不満はないのですが

この映画は生成AIの画像を元に作られているというのが良くないと思いました。

生成AI画像って作り物であり真実ではないんですよね。

それでいてとてももっともらしい画像なので

これが世界の真実なのだ、と錯覚してしまうというのは問題だと思います。

この映画のカテゴリは「考えさせられるプログラム」であり

「ドキュメンタリー」や「ノンフィクション」ではないので

厳密にはフィクション作品でも問題ないのですが

この映画祭のプログラムは「ドキュメンタリー」や「ノンフィクション」

が各プログラムに点在しているので(そこはまとめとけ!!)

「PLSTC-プラスチック」が「ドキュメンタリー」や「ノンフィクション」であると

勘違いする可能性はあります。

よくない。

良くないですよ。

そういうのは。

プログラム内で「ドキュメンタリー」や「ノンフィクション」と

「フィクション」を厳密に分けるとか

「実話をもとにしたフィクション」であるということを

明確に表示した方が良いのではないかと思いました。

 

主題が「海の環境問題を考えてみよう」というものなら

現実の画像を使ってほしいと思いました。

数をそろえるのは難しいのかもしれません。

作品になるような状態のいい、

ちょうどいい死体の画像を撮るのは難しいのかもしれません。

実際この映画の死んだ動物たちはとてもきれいで

映画は美しく仕上がっていました。

西岡ちゃんは現代芸術が好きでよく美術館に見に行くのですが

そういう芸術の雰囲気があって美しいと感じました。

でも「海の環境問題を考えてみよう」という映画が美しくて良いのでしょうか?

しかし本物の動物の死体を使って映画にしてもいいものだろうか?

 

そういう映画とは?

環境問題を訴える作品の在り方とは?

ということを考えてしまう映画でした。

 

この映画はよくないですよ。

「環境問題を訴える作品」では「環境について考えられる映画」であるべきだと

思います。

「映画の在り方」を考えてしまう映画ではいけないと思います。

この映画は未完成の作品だと感じました。

以上感想終了。